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<編集長インタビュー>激動の経済とともに歩んで10周年 「ダイヤモンド ZAi」 尾川賢志さん(毎日新聞)

 月刊マネー誌「ダイヤモンド ZAi」(ダイヤモンド社)が来月、創刊から10周年を迎える。ITバブルの隆盛と崩壊、金融危機など激動の10年とともに歩んできた同誌。編集長の尾川賢志さんに話を聞いた。【長岡平助】

 「00年の創刊時は、ITバブルの絶頂期に、年金制度改革に端を発した年金不安、ネット証券の登場による個人投資家のぼっ興が重なって、追い風になった」と尾川さんは振り返る。投資に多くの世代から関心が寄せられる中、既存の富裕な中高年層を対象にした雑誌にはなかった「国や企業がどうなっても自分たちは生きていけるように、お金の知識と経験を積みましょう」という一般の人たちの目線に立った編集方針が功を奏し、創刊号は30万部を完売した。

 転機は、いわゆる「ライブドアショック」だったという。ショック後、株式市場が低迷を始めると、それまで好評だった「株で2億円作る」や「海外移住」といった派手な企画より、身の回りを見直し、効率的なお金の使い方をするという現実的なものが、人気を集めるようになった。最近では1月号の「株主優待」特集に注目が集まったという。長引く不況下「優待という『お得感』が受けて、他号に比べ、特に女性の購読が多かったようだ」と尾川さんは話す。

 創刊から10年を目前にした今、変わったことの一つとして「経済情勢や株価と部数が比例しなくなったこと」を尾川さんは挙げる。「いわゆる『リーマンショック』後、株価が下がって7000円台になったときは逆に完売するほど売れた。株価が安いときに、むしろ読者が『これは買いだな』と情報を欲しがっている。賢い読者が増えたのだと思う」と尾川さん。現在の部数は約21万部で、雑誌の休刊が相次ぐ昨今としては、かなりの健闘を見せている。一時のブームは去ったものの、投資は確実に一般の人たちに根付いたようだ。

 最新の3月号では「確定申告」を特集した。源泉徴収票の見方を見開き2ページで詳細に説明し、確定申告の「試し書き」シートを付けた。「自分の税額がどうやって決まっているのか、どうやったら分かるのか、どんな控除を受けられるのか。源泉徴収票が1枚あれば分かる」と尾川さん。分かりにくいお金の仕組みを、一般の読者に分かりやすく読み解き、提示する手法は、創刊時からの伝統になっている。「競合他誌のまねはしない。我々が意識すべきは他誌ではなく常に一般の読者。お金に興味のある人たちが何を知りたいか、今後もそこに焦点を当てていきたい」と尾川さんは意気込んでいる。

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